上海の街角で見る「ノースフェイス現象」
「こんなにたくさんの人がノースフェイスのダウンジャケットを買いに来るのは初めてです」と、汪文さんは街面新聞に語った。36歳の王文さんは上海の繁華街で8年間ヴィンテージショップを経営しており、常に好調な客足を維持している。ヴィンテージとは、通常、骨董品の販売を指す。
近年、上海の若者たちの間で、ザ・ノース・フェイスのダウンジャケットが「学校の制服」のように普及している。街を歩けば、10代から20代の若者がこぞって同じようなスタイルのノースフェイスジャケットを着用している光景が目立つ。
なぜノースフェイスが「制服化」したのか
この現象について、ファッション業界の専門家はいくつかの要因を指摘している。まず、ノースフェイスブランドが持つ「機能的で実用的」というイメージが、現代の若者の価値観に合致している点だ。耐久性に優れ、防寒性能が高いという実用性が評価されている。
さらに、SNSの影響も大きい。中国の若者向けプラットフォーム「小紅書」や「抖音」では、ノースフェイスの着こなしが頻繁に話題となり、一種の「必須アイテム」として認知されるようになった。特に、限定カラーやコラボレーションモデルは即完売するほどの人気だ。
また、ヴィンテージショップ店主の汪さんは「ノースフェイスのリサイクル市場も活況です。中古品であっても品質が保たれており、サステナブルな消費という観点からも支持されています」と付け加える。
「制服化」がもたらすブランドイメージの変化
このような「制服化」現象は、ブランドにとって諸刃の剣でもある。一方で、売上拡大や認知度向上というメリットがある反面、ブランドの希少性や特別感が薄れるリスクをはらんでいる。
上海のある大学生は「最初はみんなと違うスタイルを目指してノースフェイスを選んだのに、今では逆にみんなと同じになってしまった」と複雑な心境を語る。このような声は少なくないようだ。
ファッションサイクルの観点から見ると、このような「制服化」現象は一時的なブームに終わる可能性もある。しかし、ノースフェイスの場合、その機能性と品質が支持されているため、長期的な人気が期待できるとの見方もある。
今後のファッショントレンド予測
上海の若者ファッションは常に変化している。ノースフェイスの「制服化」現象は、現代の若者が「個性」と「同調」の間で揺れ動いていることを象徴しているとも言える。
専門家は「次のトレンドは、ノースフェイスのような実用性と、より個性的なデザインを融合させたアイテムが台頭する可能性が高い」と予測する。特に、サステナブル素材を使用したエコフレンドリーな商品や、デジタル技術と融合したスマートウェアに注目が集まっている。
いずれにせよ、上海の街角で繰り広げられる若者ファッションの動向は、アジア全体のトレンドを先取りする傾向があり、今後の展開から目が離せない。
