「Gucc」誤表記問題の発覚と消費者対応
中国EC大手JD.com(京東)が自社プラットフォームで販売していた「Gucci」製品に、「Gucc」という誤ったラベルが貼られていることが判明し、大きな波紋を広げています。複数の消費者から「本物か疑わしい」との指摘が相次ぎ、一部の消費者はすでに集団訴訟を提起したことが関係者への取材で明らかになりました。
問題の製品はJD.comが直接運営する「JD自営」セクションで販売されており、同社は「正規ルートで調達した本物の商品」と主張しています。しかし、商品到着後に細部を確認した消費者らがラベルの誤記に気付き、SNS上で話題が拡散。Gucci本社への問い合わせが殺到する事態となりました。
Gucci中国の公式見解とECプラットフォームの課題
Gucci中国のカスタマーサービス担当者は本メディアの取材に対し、「中国本土で唯一の公式オンライン販売チャネルは当社が直接運営する公式サイトのみ」と明言。JD.comを含む第三者プラットフォームでの商品調達ルートについては「把握していない」と回答しました。
業界関係者によると、高級ブランドとECプラットフォーム間の公式販売契約には通常、厳格な品質管理規定が含まれるものの、JD.comのような大規模プラットフォームの「自営」商品については、ブランド側の直接的な管理が及ばないケースも少なくないとのことです。
JD.comの対応と今後の展開
JD.comは声明で「全ての商品は正規のサプライチェーンを経由しており、本物であることを保証する」と強調。誤表記については「印刷工程における単純なミス」と説明し、該当商品の回収と交換プログラムを開始したと発表しました。
しかし消費者側の代理人弁護士は「高級ブランド商品の誤表記は商品価値そのものを損なう重大な瑕疵」と指摘。単なる交換では不十分として、3倍の賠償を求める訴訟を北京インターネット法院に提起しています。
中国消費者協会のデータによると、2023年の高級品関連苦情は前年比17%増加しており、オンライン購入における「本物保証」への不信感が高まっています。今回の事例はECプラットフォームの自主管理とブランド側の品質監視の在り方に一石を投じる可能性があります。
業界専門家の分析
奢侈品市場のアナリストは「グローバルブランドの中国市場戦略とECプラットフォームの関係性が問われる事例」と分析。特に以下の点を指摘しました:
- ブランド直営と代理店経由の流通経路の混在リスク
- プラットフォーム自営商品の品質保証システムの不備
- 消費者のブランド識別能力向上によるトラブルの顕在化
今回の訴訟の行方によっては、中国の主要ECプラットフォームが高級ブランド商品を取り扱う際の基準見直しが迫られる可能性があります。GucciをはじめとするLVMHグループは声明で「中国市場におけるブランド保護を強化する」とコメントしていますが、具体的な対策については今後の発表を待つことになります。
